加納欄の入院 シリーズ32シーズン4

静まり返った病室。

あたしは、目を閉じたまま耳を澄ませていた。

…………来た。

廊下から聞こえる、微かな足音。

一人……。

いや、二人。

あたしは、寝返りを打つふりをして、苫利先輩の方を向いた。

「ねずみさんが来ましたよぉ。先輩、起きてます?」

「お、おぉ」

小さな声が返ってくる。

「捕まえますからね。先輩、武器は?」

「何もないよ」

「あるじゃないですか。ギプス。痛いですよぉ、蹴られたらぁ」

「お、おぉ。そうだな」

苫利先輩が、自分のギプスを見つめた、その時。

カチャ……。

病室のドアが、ゆっくりと開いた。