加納欄の入院 シリーズ32シーズン4

「良かったぁ……」

苫利先輩が、大きく息を吐いた。

「間に合ったぁ」

さっきまで強張っていた身体から、一気に力が抜ける。

あたしも胸を撫で下ろした。

「本当にありがとうございます」

そして、看護師さんを見る。

「あなたは?」

「加奈といいます」

看護師さんは、小さく笑った。

「この病院で勤務してるわ」

「加奈さん……」

あたしは、もう一度頭を下げた。

「でも、どうして……」

点滴を見て、加奈さんを見る。

「幸田さんと、お知り合いなんですか?」

加奈さんは答えようとして――。

一度、ドアの方を見た。

「その話は、今度ね」

声が少し低くなる。

「今は、それより」

加奈さんが、壊れた盗聴器へ視線を向けた。

「盗聴器が壊れたから、今夜気をつけてね」

…………。

さっきまで安心していた胸が、
またザワッとした。