加納欄の入院 シリーズ32シーズン4

「失礼します」

看護師さんが、点滴を持って入ってきた。

あたしは点滴の袋を見る。

…………。

見たって分からない。

これが安全なのか。

それとも――。

「じゃあ、苫利さん。腕出してくださいね」

「はい」

苫利先輩が、何事もないように腕を差し出す。

でも。

あたしには分かった。

苫利先輩の手が、ほんの少し震えている。

看護師さんが腕を消毒する。

「少しチクッとしますよ」

針が近づいていく。

待って。

まだ分からない。

幸田さんたちは間に合ったの?

「はい、入ります」

針が――。

苫利先輩の腕に刺さった。

「…………っ」

あたしは声を出さないよう、唇を噛んだ。

そして点滴の管を、液体がゆっくり流れ始めた。