でも、ここでは何も話せない。
盗聴器がある。
…………どうする?
「あっ、そうだ!」
あたしは、わざと明るい声を出した。
「幸田さん」
「ん?」
「そういえば、お誕生日少し過ぎちゃったけど、プレゼント持ってきてたんですよ」
「え〜? ホント?」
「はい。今日会えてよかったぁ」
あたしはバッグの中を探すふりをした。
「大したものじゃないんですけど」
「そんなの気にしないわよぉ。嬉しい」
幸田さんのそばへ行く。
「はい、どうぞ」
あたしは幸田さんの手を取り、小さく折ったメモを握らせた。
幸田さんの指が、そっとメモを開く。
一瞬だけ、目が合った。
《信用できる看護師》
《食塩水》
その文字を確認した幸田さんは、
すぐに満面の笑顔を見せた。
「わぁ〜、ありがとう欄ちゃん」
「どういたしまして」
「今度、お返ししなくちゃね」
「いいですよぉ」
「じゃあ、今度一緒に買い物でも行こっか」
「行きたいです」
どこから聞いても、ただの誕生日プレゼントの話。
最後に幸田さんは、
あたしを見て――。
「うん」
小さく頷いた。
盗聴器がある。
…………どうする?
「あっ、そうだ!」
あたしは、わざと明るい声を出した。
「幸田さん」
「ん?」
「そういえば、お誕生日少し過ぎちゃったけど、プレゼント持ってきてたんですよ」
「え〜? ホント?」
「はい。今日会えてよかったぁ」
あたしはバッグの中を探すふりをした。
「大したものじゃないんですけど」
「そんなの気にしないわよぉ。嬉しい」
幸田さんのそばへ行く。
「はい、どうぞ」
あたしは幸田さんの手を取り、小さく折ったメモを握らせた。
幸田さんの指が、そっとメモを開く。
一瞬だけ、目が合った。
《信用できる看護師》
《食塩水》
その文字を確認した幸田さんは、
すぐに満面の笑顔を見せた。
「わぁ〜、ありがとう欄ちゃん」
「どういたしまして」
「今度、お返ししなくちゃね」
「いいですよぉ」
「じゃあ、今度一緒に買い物でも行こっか」
「行きたいです」
どこから聞いても、ただの誕生日プレゼントの話。
最後に幸田さんは、
あたしを見て――。
「うん」
小さく頷いた。



