加納欄の入院 シリーズ32シーズン4

やっと唇が離れた。

「先、輩……」

あたしは息を整えながら、小さな声で言った。

「我慢、し、て」

「できねえよ」

即答だった。

「え……」

大山先輩は、あたしを離そうとしない。

「苫利と毎晩泊まるなんて」

…………。

あ。

もしかして。

昨日からずっと。

それ気にしてたの?

「演技、ですから」

あたしは小さく答えた。

「苫利先輩とは、何もありません」

「分かってる」

「だったら……」

「分かってても嫌なんだよ俺が」

…………。

そんなこと言われたら。

あたしだって、困るじゃない。