加納欄の入院 シリーズ32シーズン4

「せ、先輩……?」

大山先輩の腕に、ギュッと力が入った。

「何もされてないか?」

「え?」

「大丈夫だったか?」

耳元で聞こえる声は、いつもの大山先輩とは違っていた。

…………心配、してくれてる?

「大丈夫です。何も――」

そこまで言って、あたしは思い出した。

盗聴器!

「先、輩……これ」

昨日の、薬を渡そうとした瞬間。

抱きしめられた。

「…………っ!」

ちょっ……!

今、ここ病室!

それに盗聴器――!

あたしは慌てて、大山先輩の胸を押した。