加納欄の入院 シリーズ32シーズン4

苫利先輩が慌てて、

あたしの口を手で塞いだ。

「んんっ!」

「シーッ!」

苫利先輩が目を見開く。

そして、小声で囁いた。

「盗聴器、盗聴器!」

…………。

あっ!!

危ない!!

あたしは慌てて口を押さえた。

『私には大山先輩が――!』

なんて言ったら、彼女役、一発で終わるじゃない!

危なかったぁ……。

っていうか!

だったら先に合図くらいしてくださいよ!

いきなり、

『セックスしようよぉ』

なんて言われて分かるわけないでしょ!

「だって苫利先輩! 突然、変なこと言うんだもん!」

「しょうがねぇだろ。したくなったんだから」

苫利先輩は赤くなった頬をさすりながら、スマホを取り出した。

「こっち来て、欄ちゃん」

そしてえっちな動画を再生し、その音を盗聴器へ向ける。

…………。

いや。

そこまでしろとは言ってない。