加納欄の入院 シリーズ32シーズン4

あたしたちは何も言わず、そのまま病室へ戻った。

ドアを閉める。

…………。

さっきの話。

聞きたい。

でも――。

この部屋には、盗聴器がある。

「欄ちゃん」

苫利先輩が、小さな声で呼んだ。

「なんですか?」

「退屈なんだよぉ」

「え?」

「さっきから身体も暑くてさぁ」

苫利先輩が、妙に甘ったるい声を出す。

…………何?

「せっかく個室なんだし。ね?」

「はい?」

苫利先輩が、あたしを見つめた。

「しようよ」

…………。

何を?

あたしは苫利先輩のそばへ寄り、
小声で聞いた。

「何をですか?」