【番外編】
・幼稚園の年長になった、有栖子side。
わたしは家族、五人でお家に住んでいる。
ママ、パパ、蘭々ちゃん、わたし、由乃ちゃんの五人家族。
わたしには、お兄さんが二人いるみたいだけれど、お会いした事はなかった。
一番上のお兄さんは、ママの元旦那さんのところにいるんだって。
二番目のお兄さんは、ママの実家にいるって。
ママは勘当されてるんだって。
勘当がなにか、良く分からなかった。
縁を切られたって、ママは言ってた。
ママとパパは結婚してなくて、事実婚ってやつ。
事実婚は、婚姻届を出してないけど、家族同然で暮らしてるって、事、みたい。
ママは絵描きで、パパはチェロ弾き。
蘭々ちゃんは綺麗なお姉さんで、『Lulu』ってお店を経営してるみたい。
妹の由乃ちゃんは、同じ幼稚園に通っていて、年少さん。
お家のお庭に、ママと蘭々ちゃんとお花を植えて、小さな花壇を作った。
毎日、お水をやったり、お世話をした。
綺麗なお花が咲いてくれて、嬉しかった。
朝ご飯はママが作ってくれる。
主食は食パンかバゲットで、オムレツ、スクランブルエッグ、目玉焼きのどれかに、ベーコンかハムが付いて来た。
後はサラダに、ヨーグルト、フルーツが定番メニュー。
お昼ご飯は幼稚園で給食が出て、三時のおやつも出た。
夜ご飯は蘭々ちゃんが、作ってくれたご飯を食べた。
ママは料理が苦手なんだって。
手の込んだのは作れないから、申し訳ないって。
パパはコンサートがお休みの日に、カレーやシチューを作ってくれた。
蘭々ちゃんは午後五時半頃、お仕事に行くから、夜はいなかった。
幼稚園から帰ったら、わたしと由乃ちゃんと、遊んでくれた。
ママと由乃ちゃんとお風呂に入って、歯磨きをして寝る準備をする。
ママは寝る前に、絵本を読んでくれた。
おやすみのキスもしてくれた。
ママとパパは仲良しで、ママと蘭々ちゃんも仲良し。
パパと蘭々ちゃんも、仲良しなのかな?
そこはちょっと、良く分からなかった。
蘭々ちゃんの部屋には、ママが描いた蘭々ちゃんの絵が飾ってある。
とっても綺麗……。
一番の宝物だって、蘭々ちゃんは言ってた。
パパは端正なルックスで、女性ファンが多い演奏家。
自慢のパパ。
ママの元旦那さんは、鳳不動産ってところの社長さんなんだって。
ビジネス雑誌に、取材の記事が載っていて、写真も載ってた。
……あんな人と結婚してたママは、面食いなんだと思った。
パパも格好良いし、蘭々ちゃんも綺麗。
芸術家だから、当然なのかな。
綺麗なものしか、愛せないのかな。
ママはわたしを天使だと、言う。
可愛い子、と頭を撫でてくれた。
わたしはパパの子供の頃に、そっくりで。
ママとパパは幼馴染で、昔から仲良しなんだって。
・白山兄妹弟
長男の銀太郎は習い事をしながら、学校では部活に入り、野球に打ち込んだ。
高校で妻となる、美妃と出会った。
同級生で美妃は、野球部のマネージャーをしていた。
銀太郎から告白して、美妃も同じ気持ちで、真剣な交際が始まった。
「美妃さん、綺麗な人だね。お幸せに。」
実家に連れて行って、妹の由貴子に紹介すると、そう返って来た。
家にいた、母からは良い顔をされなかった。
母から報告を受けて帰宅した父からも、それとなく交際をやめるよう諭された。
美妃の両親は離婚していて、女手一つで育てられた。
一般家庭出身、だから。
綺麗だとか、容姿は関係なかった。
白山銀行を興した、創業者一族の跡取りには、良家のお嬢様が結婚相手に選ばれるのが、当然だとされた。
両親の反対を押し切り、銀太郎は美妃と結婚した。
だから、罰が下ったのか。
両親に逆らった。報い、なのか。
銀太郎と美妃には、子供が出来なかった。
美妃は結婚したからには、早く子供を産めと同居する、姑からプレッシャーを掛けられ続けた。
自然妊娠を待ったが、授からなかった。
不妊治療を受けたが、授からなかった。
白山家の跡取りは、妹である由貴子が責任を負う事になった。
鳳不動産の御曹司、鳳伊吹とお見合いして。
鳳家の跡取りだけでなく、白山家の跡取りも、産ませると……。
弟の遼河は自由奔放で、女嫌いなところがあった。
姉である由貴子以外の女とは、親しくなりそうになかった。
所謂、シスコンだった。
由貴子に猫可愛がりされ、育った弊害である。
・離婚した元夫と元妻
「ご就任、おめでとうございます。」
「ありがとうございます。由貴子さん。」
元妻の由貴子は、元夫の社長就任パーティーにお呼ばれして出席した。
「充葉、ご挨拶なさい。お母上様よ。」
元夫の義姉、一香が充葉を連れてやって来た。
充葉は小学校高学年になった。
両親が離婚したのは、充葉が幼稚園の年中の頃だった。
伊吹と由貴子は、結婚式を挙げておらず、家族写真も撮ってなかった。
朧げな記憶の中でしか、残ってなかった。
伊吹は鳳不動産の社長に就任した。
先妻の子で、嫡男の大湖を差し置いて。
先代社長の父親である汐里から、指名されたのは次男の伊吹だった。
役員会議でも、満場一致で決定した。
大湖は鳳不動産を辞めて、逃げるように日本を去った。
鳳家に居場所はもう、なかった。
初めから、なかったのかも知れない。
優秀な異母弟が生まれ……。
大湖と一香は、婚姻関係を結んだままで、離婚はしていない。
一香と充葉は血の繋がりはないが、義伯母と義甥の関係に当たった。
「……こんにちは。」
「こんにちは。元気にされてましたか?」
由貴子は目線の高さを合わせて、充葉にそう尋ねた。
親子ではあるが、鳳家の跡取りなので、線引きをしていた。
「何を召し上がりますか?取ってあげます。」
「この、お肉……。」
「美味しそうですね。私も好きですよ、お肉。」
立食式のパーティーで、束の間の親子の時間を過ごした。
伊吹は三十五歳で、鳳不動産の社長に就任した。
由貴子は三十歳に……。
お見合いをしてから、十年が経っていた。
伊吹からのキスに、由貴子は応えた。
舌を絡めて、唾液が混ざる。
水音が耳を犯した。
社長就任パーティーは、ホテルの中にある宴会場で行われた。
披露宴やパーティーなどで使われる、多目的ホールが会場だった。
パーティーが終了すると、伊吹は由貴子を部屋に誘った。
スイートルームを取っていた。
ベッドに傾れ込み、キスをしながら、パーティー用のドレス、スーツを脱ぎ捨てた。
「…あっ、んぅ。」
愛液が混ざり、甘い声が響く。
「伊吹さん、…あァッ!」
本能のままに、体を貪り合った。
快楽に溺れた。
・美大生とモデル
由貴子が所属していた、デッサンサークルにヌードモデルとして、蘭々はやって来た。
蘭々に心を奪われた由貴子は、蘭々に声を掛け、モデルになって欲しいと、仕事をお願いして依頼する事に。
ヌードモデルの日当は、二万円からが基本だった。
由貴子には祖父が、スポンサーに付いていた。
後は肖像画を描きお金を稼ぎ、稼いだお金は、モデル代や絵の具代になった。
美大近くにある、アトリエ兼住居のアパート、桔梗荘の由貴子が使うアトリエで、蘭々はブラウスのボタンに手を掛け、外していった。
蘭々が目の前で脱ぐのを、由貴子は椅子に座り見ていた。
白い肌に形の良い胸……。
乳輪は大き目で、乳首は上を向いており……。
くびれに縦長の臍、濃い目の陰毛が茂り……。
手脚が長くスタイル抜群で、あった。
由貴子の視線に、蘭々は犯された。
蘭々は感じて濡れていくのが、自分で分かった。
「……由貴子ちゃん。」
秘部に顔を埋め愛液を舐め取っていた由貴子は、縋るように呼ばれ、仕上げだと硬く勃起する秘豆を摘み、蘭々を絶頂に導いたのだった。



