碧くんの好きが溢れてる ③ 〜あなたの好きに興奮して体に悪いんですけど〜

 碧くんの試合を見ていると、こちらに向かって手を振ってくる。すると周りの女子がキャーと騒ぎたてる。私は自信なさげに小さく手を振った。

それでも碧くんは笑顔で私のいる方向を見てくれる。爽やか碧くん健在。眩しさにやられて1人後ろにのけぞった。

帰ろうとした時、誰かが背中を叩いた。びっくりして後ろを見ると、凛が笑顔で私を見る。

「アリス、久しぶり」
「凛!」思わず抱きついた。
「どうした?」
「寂しい…」
「何?」
「1人ぼっちで寂しい。」弱音を吐いた。
「なんだ、なんだ。私に会えなくて寂しいのか?」
「それもあるけど、碧くんに会えない」
「ああ、部活のせいだ。アリスが寂しかったら、安藤先輩も寂しいはずだよ」
「そうかな。会えなさ過ぎて私を忘れてる」
「メールとか電話はないの?」
「毎日ある」
「なんだ。毎日、連絡あるの。私からしたら、それの惚気(のろけ)だ」
「でも、生身の碧くんに会えない」
「はいはい、安藤先輩に言っとくね。アリスが会えないと他の子と浮気するよって」
「やめて。そんなこと言わないで、呆れて私への想い覚めるかも。だから我慢する」
「ばかだなぁ。わがままを言ってもいいんだよ。彼女の特権だよ。会いたいくらい言いなよ」
「でも…」
「はいはい、分かった。私に任せときな」と言うなりいなくなった。

凛は何をしようとしているの?慌てて追いかけたけど、足が速すぎてどこへ行ったか分からない。

すると慌てた様子の碧くんが私のほうに急いで駆けてきた。

何、幻?私の会いたい気持ちが幻覚を見せてくれているの?そして、碧くんの胸に包み込まれた。