私が寝室の前で動けないでいると、



一輝が寝室から出て来た。


『華どうした?』



涙が止まらない。



『華もしかして、今の電話聞いていた?』



私があとざりをすると、一輝に腕を掴まれた。



『華聞いて、先週佐野から携帯に電話がかかって来たんだ。



最初は無視したけど毎日毎日うるさくて、



出たら会いたいの内容ばかりで、



俺は断り続けてるよ。佐野と会うつもりはないから、


華安心して、華に佐野の事話さなかったのは、



華にこれ以上心配かけたくなかったからなんだよ。



お願いだから泣かないで。』




私に佐野先生の事を話さなかったのは、



一輝の優しさだと分かるよ。



たけど最初に佐野先生から電話が来た時、



話してほしかった。



隠していた訳じゃないだろうけど、私としたらそれはやっぱり辛い。



一輝のバカー!



私は大泣きをした。