「遅すぎ」

「あんたがいたら朝ご飯もまともに食べらんない」

「食べられるように早起きしろよ」



営業時間前のカフェの出入り口から出て2人仲良く並んで道を歩く。

あーだこーだとお互い文句を言い合うのはもはや日課になっている。

海岸へと続く下り坂を下り、青いポストの前を通りかかった時だった。
隣から異様に視線を感じたのは。



「……なんなの、さっきから。何か顔に付いてる?」

「別に。お前昨日電話で変だったから」

「………」



陸斗はこういう時本当に鋭いと思う。
何も言ってないのに、態度にも出してないつもりなのに陸斗はすぐに私の異変に気付いて『お前、なんか変』と言う。



「言えよ、俺には」

「………最近、知らない男の人につけられてるくらい」

「は?いつから?なんでもっと早く言わねぇんだよ」

「だって、気のせいかなって…」

「馬鹿かよ」



1週間前くらいからなんとなく気付いてはいた。
でも昨日ほど近付かれることもなく、なんとなく見られてるなとか些細な感じだった。