無魔の少女と星を識る王〜星葬の鍵〜

──ビュルルル。

冷たい荒んだ風が、少女の頬に当たる。


少女の目は何も映していなかった。

ただ、ぼんやりと、突っ立っていた。




この少女の容姿。

それは、見る者の目を奪う美しさだった。

艶のあるさらさらの黒髪。

見る角度で、藍色から淡い水色と変化する大きな瞳。

朝露に濡れた、一粒のさくらんぼうのような唇。

すらりとした体型。


ハイ・マギであれば、かの有名な、天璃王子と結婚できたかもしれないほどの美貌──。



「どうせ」

少女が独り言を言う。


「どうせ、私は、幸せなんて手に入らない」


ゼロスは外へ出ることも許されない。

鳥籠のように狭い考えに、少女は閉じ込められていた。