先輩、好きでいるのやめてもいいですか?

「由紀……」


絡めている指がギュッ、と強く握られて、向かい合う。

ユウマ先輩の真剣な眼差しが私を射抜く。


まさか、キス……?!


急いで目を瞑ると、すかさず軽くデコピンが。


「……キスは、風邪が治ったらな」
「あ、あっ……そうだった……!」


そうだよ、ユウマ先輩マスクしてるんだから。

キスなんて出来ないじゃん!


恥ずかしくて顔を背ければ、ユウマ先輩は私の耳元にマスク越しの唇を寄せて──。


「早く風邪治すから」


──私たちの初キスがいつになったのか。
──私たちの一ヶ月記念はどうなったのか。


それはまた、別のお話────。