翌日の朝。
教室に入ると、いつもの席に蓮がいた。
「おはよう、結菜」
「おはよう」
いつもの挨拶。
いつもの声。
それだけなのに、私は少し嬉しくなる。
昨日、帰り道で考えたことが頭に浮かんだ。
――蓮にとって、私はどんな存在なんだろう。
自分でも、どうして急にそんなことを考えたのか分からない。
幼なじみ。
小さい頃からずっと一緒にいる。
それが、私と蓮の関係だ。
だから、きっと蓮にとって私は――。
「結菜?」
「え?」
気づくと、蓮がこっちを見ていた。
「ぼーっとしてた」
「あ、ごめん」
「眠い?」
「ちょっとだけ」
適当に笑ってごまかす。
蓮はそれ以上聞かず、自分の席へ戻っていった。
その背中を見ながら、また思う。
蓮は、私のことをどう思っているんだろう。
でも。
考えてみても、答えはすぐに出た。
――大切な幼なじみ。
それ以上でも、それ以下でもない。
そう思えば、何も不思議じゃなかった。
