公園を出て、また歩き始める。
いつもの道なのに、今日は少しだけゆっくり歩いている気がした。
「今日、なんかゆっくりじゃない?」
蓮が言う。
「そうかな?」
「うん」
「……もうちょっと一緒にいたいからかも」
言ってから、自分でも少し驚いた。
今までなら、こんなことは言わなかったと思う。
蓮も少しだけ目を丸くした。
「そっか」
それだけ言って、歩く速度を少し落とした。
そのことが嬉しかった。
私は隣を歩きながら、こっそり笑う。
蓮は何も言わない。
でも、私に合わせてくれている。
それだけで、胸がいっぱいになる。
家に近づくにつれて、少しずつ寂しくなっていく。
もうすぐ、この時間が終わる。
そう思うと、さっきより歩くのが惜しくなった。
――ずっと一緒にいられたらいいのに。
そんな願いが、自然と浮かぶ。
でも。
今の私たちは幼なじみ。
それは変わらない。
変わらないからこそ、こうして一緒にいられることが嬉しい。
私は今の関係も大切にしたい。
そしていつか。
この気持ちをちゃんと伝えられる日が来たらいいな。
そんなことを、初めて少しだけ考えた。
