校門を出る。
いつもの道を、いつものように二人で歩く。
途中で蓮がコンビニを指差した。
「なんか買ってく?」
「うん。ちょっと見たい」
二人で店に入る。
私はお菓子の棚を眺めながら、どれにしようか迷っていた。
「これ好きじゃなかった?」
蓮が手に取ったお菓子を見せてくる。
「そう、それ好き」
「じゃあこれでいいじゃん」
「でも、こっちも気になる」
「じゃあ両方買えば?」
「そんなに食べられないよ」
「結菜なら食べられるだろ」
「ひどい」
笑いながら、結局いつものお菓子を一つ選ぶ。
店を出てからも、くだらない話を続ける。
学校のこと。
今日の授業のこと。
最近見た動画のこと。
本当に、何でもない話ばかり。
でも。
私はこういう時間が好きだった。
何か特別なことをしなくてもいい。
蓮と一緒にいて、くだらないことで笑っていられる。
それだけで、十分嬉しい。
――こういう時間が、ずっと続けばいいのに。
ふと、そんなことを思った。
今までだって、何度も一緒に帰ってきた。
それなのに今日は、その時間がいつもより少しだけ惜しく感じた。
