放課後。
いつものように、蓮が迎えに来た。
「帰ろ」
「うん」
二人で教室を出る。
廊下を歩いているだけなのに、今日は妙に緊張する。
蓮が隣にいる。
それだけなのに。
「結菜」
「ん?」
「今日、ほんとにどうした?」
「……そんなに変?」
「ちょっと」
私は少し考えてから、笑った。
「昨日、寝不足だったのかも」
「ちゃんと寝ろよ」
「うん」
本当の理由は言えない。
だって。
昨日、蓮のことが好きだと気づいたから。
そんなことを本人に言えるわけがない。
校門を出る。
いつもの帰り道。
並んで歩く。
「今日、なんか静かだな」
「そう?」
「うん」
「……蓮と話すこと考えてた」
「何それ」
笑われる。
私も笑った。
少しだけ、いつもの自分に戻れた気がした。
でも。
隣を歩く蓮を見ると、やっぱり胸が高鳴る。
昨日までと同じ人。
昨日までと同じ道。
昨日までと同じ時間。
それなのに。
私の気持ちだけが、大きく変わってしまった。
