家の近くまで来る。
いつものように、帰り道が分かれる。
「じゃあ、また明日」
「うん。また明日」
蓮が手を上げる。
私も笑って手を振る。
蓮が歩いていく。
その背中を見ながら、今までとは違う気持ちが胸いっぱいに広がっていく。
昨日までは。
「明日も会える」
それが嬉しかった。
でも今は。
――好きな人に、明日も会える。
そう思うだけで、胸がいっぱいになる。
蓮の姿が見えなくなってから、私はゆっくり家へ向かった。
玄関を開ける。
部屋に入る。
鞄を置いて、ベッドに座る。
今日一日のことを思い返す。
朝、蓮に会えたこと。
隣を歩いたこと。
名前を呼ばれたこと。
帰り道、一緒に話したこと。
全部が嬉しかった。
そして。
全部に、同じ理由があった。
私はもう、その気持ちを誤魔化せない。
「……私、蓮のことが好きなんだ」
今度は、ちゃんと声に出して言った。
恥ずかしくて、枕に顔を埋める。
でも。
少しだけ笑ってしまう。
好きだと気づいたら。
明日が、今までより楽しみになった。
明日も蓮に会える。
そう思いながら、私は枕を抱きしめた。
この日から。
私の中で、蓮はただの幼なじみじゃなくなった。
