昼休み。
友達とお弁当を食べながら、結菜は窓の外を眺めていた。
校庭では、何人かの男子がボールを追いかけている。
その中に蓮の姿はない。
今日は教室に残っているらしい。
それを確認したわけでもないのに、なんとなく分かってしまう。
少しして、教室の後ろから笑い声が聞こえた。
振り向くと、蓮が友達と話していた。
何か面白いことがあったらしく、いつもより少しだけ大きく笑っている。
その表情を見て、結菜も自然と笑ってしまった。
ただ、それだけだった。
蓮が楽しそうなら、自分も嬉しい。
そう思った。
でも、その直後。
蓮が友達と一緒に教室の外へ出ていくと、急に物足りなく感じた。
さっきまで普通だったのに。
姿が見えなくなっただけで、少し寂しい。
その変化に、結菜自身が一番驚いた。
昔から、蓮がどこかへ行くことなんて何度もあった。
小学生の頃だって、別々の友達と遊ぶことはあった。
それでも、こんな気持ちになったことはない。
今は違う。
姿が見えないだけで、気になってしまう。
戻ってきたら、ほっとする。
少しでも話せたら嬉しい。
一緒に帰れたら、もっと嬉しい。
そこまで考えて、結菜は箸を止めた。
胸の奥に浮かんだ小さな疑問。
――私って、こんなに蓮のこと気にしてたっけ。
答えは、すぐには出てこなかった。
ただ、否定することもできなかった。
