家に帰ってから、私は今日の会話を思い返していた。
蓮の好きなもの。
苦手なもの。
好きな季節。
将来のこと。
今まで知っているつもりだった。
でも、聞いてみたら知らないことがたくさんあった。
幼なじみだから。
昔から一緒にいるから。
それだけで全部分かるわけじゃない。
当たり前のように隣にいたけれど。
蓮は少しずつ変わっていて。
私もきっと、変わっている。
だから。
今の蓮のことを、もっと知りたい。
どんなことが好きなのか。
何を考えているのか。
何を大切にしているのか。
そんなことまで、知りたくなっていた。
「……なんでだろ」
小さく呟く。
答えは出ない。
ただ、明日の朝も蓮に会ったら、また何か聞いてみたいと思った。
そして。
私のことも、もっと知ってほしい。
そう思った自分に、少しだけ驚く。
今までとは、何かが違う。
でも、その「何か」が何なのか。
私はまだ、分からなかった。
