次の日の朝。
昨日のメッセージを思い出しながら、私は玄関を出た。
少し歩くと、いつもの場所に蓮がいる。
「おはよう」
「おはよう、結菜」
並んで歩き始める。
昨日と同じ道。
昨日と同じ時間。
なのに、最近はこうして蓮の隣を歩くことが、前より楽しみになっている。
「蓮ってさ」
「ん?」
「好きな食べ物って何?」
急に聞いたせいか、蓮が少しだけ私を見る。
「……急だな」
「なんとなく気になった」
「前に言っただろ」
「え?」
「いちご」
「あ……そうだっけ」
言われてみれば、確かに知っている。
蓮は昔から甘いものが好きだった。
ケーキを選ぶときも、いちごが乗っているものを選ぶ。
でも。
「じゃあ、好きな飲み物は?」
「それも聞く?」
「聞く」
蓮は少し考えてから答えた。
私は知らなかった。
そんな小さなことが、なんだか新鮮だった。
ずっと一緒にいるのに。
知らないことって、まだあるんだ。
そう思ったら、もっと聞いてみたくなった。
