幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い



放課後。

今日は一緒に帰れる。

それだけで、朝から少し楽しみだった。

帰る準備をしていると、蓮が教室の入口から顔を出す。


「結菜」

「今行く」


鞄を持って立ち上がる。

教室を出ると、蓮が私の鞄を見た。


「それ、重そう」

「そう?」

「持つ?」

「大丈夫だよ」

「そっか」


それ以上は何も言わなかった。

でも、歩き始めると蓮が少しだけ私の歩幅に合わせてくれていることに気づいた。


「蓮ってさ」

「ん?」

「歩くの遅くなった?」

「結菜が遅いだけじゃない?」

「え、ひどい」


笑いながら言うと、蓮も少し笑った。

その顔を見て、また嬉しくなる。

朝もそうだった。

こうして隣にいると、落ち着く。

昨日は一人で歩いて、いつもより静かに感じた道。

今日は、蓮の声が聞こえるだけで全然違って感じる。


「やっぱり、一緒に帰るのっていいね」


何気なく言うと、蓮が少しだけこちらを見た。


「……うん」


その返事が、いつもより優しく聞こえた。