次の日。
朝、玄関を出ると、少し先に蓮がいた。
「おはよう」
「おはよう、結菜」
いつもと同じ声。
いつもと同じ顔。
なのに、昨日会えなかったせいか、会えたことがすごく嬉しく感じた。
「昨日、大変だった?」
「まあまあ。思ったより時間かかった」
「そっか」
並んで歩き始める。
たったそれだけなのに、安心する。
昨日、一人で歩いた帰り道を思い出した。
同じ道だったはずなのに、やっぱり隣に蓮がいるほうがいい。
「今日、帰りは?」
私が聞くと、蓮は少し笑った。
「今日は大丈夫」
「じゃあ、一緒に帰れるね」
「うん」
その返事だけで、嬉しくなった。
学校に着くまでの道が、昨日よりずっと短く感じた。
そして放課後。
蓮がいつものように私のところへ来た。
「帰ろ」
「うん」
教室を出る。
並んで歩く。
いつもの帰り道。
昨日は少し寂しかったのに、今日はそれだけで心が軽くなる。
私はまだ、この気持ちの名前を知らない。
ただ。
会えないと、少し寂しい。
会えたら、嬉しい。
そして今日も、蓮と一緒に帰れることが嬉しかった。
