公園に着くと、昔よく座っていたベンチに並んで座った。
小さい頃は、学校が終わるとよくここで遊んだ。
ブランコに乗ったり。
鬼ごっこをしたり。
疲れたら、こうしてベンチに座ってお菓子を食べたり。
「結菜、昔からここ好きだったよな」
「そうだっけ?」
「うん。帰るって言っても、まだ遊ぶって駄々こねてた」
「……そんなことしてた?」
「してた」
「恥ずかしい……」
蓮が小さく笑う。
「でも、今もあんまり変わってない」
「え?」
「好きなものとか、昔から変わってないし」
「蓮は?」
「俺?」
「うん。蓮の好きなもの、もっと知りたい」
昨日から、ずっとそう思っていた。
今まで一緒にいた時間は長いのに、知らないことが意外と多い。
「知りたい?」
「うん」
蓮は少し考えてから答えた。
「甘いもの」
「知ってる」
「ゲーム」
「それも知ってる」
「……あと」
蓮が私を見る。
「結菜といる時間」
「……え?」
一瞬、意味が分からなかった。
「それ、好きなものなの?」
「うん」
蓮はいつもと変わらない顔で言う。
「結菜といると、楽だから」
その言葉に、胸が大きく跳ねた。
「……そっか」
うまく返せない。
ただ、嬉しい。
その気持ちだけは、はっきり分かった。
