次の日の朝。
私はいつもより少し早く家を出た。
昨日、蓮と約束したから。
今日も一緒に帰る。
ただそれだけなのに。
朝から少しだけ気分が軽かった。
いつもの道を歩いていると、後ろから足音が聞こえてきた。
「結菜」
「……!」
振り返る。
「おはよ」
「おはよう」
蓮だった。
「早いじゃん」
「蓮も!」
「ああ」
蓮が小さく笑う。
なんでもない会話。
なのに。
胸が少しだけ嬉しくなる。
「昨日はごめん」
「もういいって」
「ちゃんと帰れた?」
「帰れたよ」
「ならよかった」
蓮はそう言って、私の隣を歩く。
いつもの距離。
いつもの歩く速さ。
なのに今日は。
昨日ひとりで帰ったせいか、隣に蓮がいることがいつも以上に嬉しく感じた。
