学校では、いつも通りに時間が過ぎていった。
授業を受けて、友達と話して、お昼休みにはお弁当を食べる。
特別なことは何もない。
それなのに、私は何度も蓮を目で追ってしまった。
教室の後ろで友達と話している姿。
廊下を歩いている姿。
授業中にノートを書いている横顔。
今までだって、何度も見てきた。
幼なじみなんだから、見慣れているはずなのに。
「結菜」
「ん?」
友達の声で我に返る。
「さっきから蓮見てない?」
「見てないよ」
「見てたよ」
即答されて、私は黙り込む。
「……なんとなく」
「ふーん?」
からかうような顔をされて、私は慌てて視線を逸らした。
「だって幼なじみだし」
そう言いながら、自分でも少し苦しく感じる。
幼なじみだから。
それだけで、こんなに気になるものなのかな。
蓮が笑っていると気になる。
誰かと話していると、なんとなく目がいく。
姿が見えないと、どこにいるのか探してしまう。
そのことに気づいてから、余計に意識してしまうようになった。
