次の日の朝。
教室に入ると、蓮はまだ来ていなかった。
私は自分の席に鞄を置いて、何となく教室の入り口を見る。
まだかな。
そう思った瞬間、自分で少し驚いた。
昨日も一緒に帰ったのに。
朝から蓮を待ってるなんて。
「……私、どうしたんだろ」
小さく呟いたところで、教室のドアが開いた。
「おはよ」
「……!」
蓮だった。
「おはよう」
「早いじゃん」
「蓮もね」
蓮が自分の席に向かう。
私はその背中を目で追ってしまう。
すると、蓮が振り返った。
「何?」
「え?」
「また見てた」
「見てないよ!」
「昨日も言ってた」
「……」
返す言葉がない。
蓮が少し笑った。
「分かりやすい」
「何が?」
「別に」
「気になる!」
「気にしなくていい」
「もう!」
蓮は笑いながら自分の席に戻っていった。
私は頬杖をつく。
最近、蓮にはよく見つかる。
私が見ていること。
でも。
どうして見てしまうのかは、自分でも分からなかった。
