幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い

 学校を出て、いつもの道を歩く。


「この前のアイス、まだあるかな」

「たぶん」

「売り切れてたらどうしよう」

「また別の買えば?」

「嫌だよ。あれがいいの」

「そんなに好きなんだ」

「うん。おいしかったもん」


 コンビニに着くと、私は真っ先に冷凍ケースへ向かった。


「あった!」

「よかったな」

「蓮も買う?」

「今日はいい」

「えー」

「この前、一口もらったから」

「一口しか食べてないじゃん」

「十分」

「じゃあ今日も一口あげる」

「いらない」

「じゃあ二口」

「増えてる」


 蓮が笑う。

 私はアイスを手に取って、レジへ向かった。

 会計を終えて店を出る。


「ねえ、食べる?」

「……一口だけ」

「やっぱり食べるんじゃん」

「結菜が言ったから」

「はいはい」


 私はスプーンを取り出して、蓮に差し出した。


「どうぞ」

「……」


 蓮が一瞬、私の顔を見る。


「なに?」

「いや」


 蓮はスプーンを受け取った。


「ありがと」


 そして、一口食べる。


「どう?」

「普通」

「えー!」

「おいしいけど」

「ほら!」


 私は嬉しくなって笑う。


「じゃあ、もう一口食べる?」

「……いい」

「遠慮しなくていいのに」

「遠慮してない」


 そう言いながら、蓮は少しだけ笑っていた。