幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い

放課後。

いつものように一緒に帰ることになったけれど、今日は歩くのも少しだけゆっくりだった。

蓮も私に合わせて、いつもより歩く速度を落としてくれている。


「今日、早く帰ったほうがいい?」

「うん……たぶん」


そう答えたあと、少し迷う。

本当は。

今日はもう少しだけ、蓮と一緒にいたかった。

でも、わざわざ言うのは恥ずかしい。

いつもなら蓮が「一緒にいたい」と言ってくれる。

私はそれに答えるだけだった。

だけど今日は。

自分から言ってみたくなった。


「……蓮」

「ん?」

「もう少し一緒にいたい」


言った瞬間、恥ずかしくなって俯く。

すると、隣から小さく息を呑む音がした。


「……ほんと?」

「うん」


顔を上げると、蓮がものすごく嬉しそうに笑っていた。


「もっと言って」

「え?」

「結菜が俺に甘えてくれるの、嬉しい」


その顔があまりにも嬉しそうで、今度は私まで笑ってしまった。