幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い

家に帰る前、いつもの道を並んで歩く。

さっきまで散々「可愛い」と言われていたせいで、私はまだ少しだけ恥ずかしかった。

すると蓮が、ふいに口を開いた。


「でもさ」

「ん?」

「結菜が彼女になってから、もっと可愛く見える」

「……え?」


思わず足が止まる。

蓮も立ち止まって、まっすぐ私を見る。


「付き合う前から可愛いと思ってたけど」

「……うん」

「今は、前よりずっと可愛く見える」

「なんで……?」


聞くと、蓮は少し照れたように笑った。


「好きだからじゃない?」


あまりにもまっすぐな答えに、何も言えなくなる。


「彼女になったから、今までより近くで見られるし」

「……」

「だから、前よりもっと可愛いって思う」


また顔が熱くなる。

私は何も言えなくて、ただ俯いた。

そんな私の隣で、蓮が小さく笑う。


「やっぱり、可愛い」

「……もう言わないでって言ったのに」

「ごめん。でも無理かも」

「なんで?」

「可愛いって思うから」


そう言って笑う蓮を見て。

私はもう、何も言い返せなくなった。