次の日の朝。
目覚ましが鳴る少し前に、私は目を覚ました。
カーテンの隙間から入る光をぼんやり眺めながら、昨日の帰り道を思い出す。
――明日も一緒に帰りたい。
そんなことを考えていた自分がおかしくて、少しだけ笑った。
別に、毎日一緒に帰っている。
昨日だって、いつも通り帰っただけ。
それなのに。
今日は朝から、なんとなく気分が軽かった。
急いで支度をして、いつもより少し早めに家を出る。
玄関を出たところで、ふと足が止まった。
「……あれ?」
どうして早く出てきたんだろう。
考えてみても、すぐには答えが出なかった。
ただ、いつもより少しだけ早く学校に行きたかった。
それだけ。
そう思い直して、私は歩き出した。
いつもの道を進んでいく。
朝の空気はまだ少し冷たくて、吐く息がほんの少し白い。
角を曲がったところで、見慣れた後ろ姿が見えた。
「蓮?」
声をかけると、蓮が振り返った。
「おはよう、結菜」
「おはよう」
その瞬間。
朝から感じていた小さなわくわくの理由が、少しだけ分かった気がした。
