幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い

「可愛いと思ったから」


蓮は何でもないことみたいに言う。


「……ありがと」


なんとか返すと、蓮は嬉しそうに笑った。

それだけなら、まだよかった。

問題は、そのあとだった。

一時間目が終わって、私がノートを片付けていると、


「結菜、字きれいだね」

「そう?」

「うん。可愛い」

「字が?」

「結菜が」

「……っ」


まただ。

思わず蓮を見ると、本人は楽しそうに笑っている。


「何?」

「何って……」

「可愛いから可愛いって言っただけ」

「もう……」


私は小さくため息をついた。

それなのに、蓮は全然気にしていない。

休み時間に私が友達と話して笑っていると、


「今の笑い方、可愛かった」

「聞いてたの?」

「うん」

「……もう」


昼休み、私が飲み物を飲んでいるだけでも、


「それ飲んでる結菜、なんか可愛い」

「なんで!?」

「分かんない。でも可愛い」


一日中、こんな調子だった。