幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い

「うん。ごめんね」


そう言うと、蓮は少しだけ視線を落としてから、すぐに笑った。


「そっか。仕方ないよ」

「ほんとにごめん」

「だから大丈夫だって」


そう言ってくれたけれど。

どう見ても、ちょっと寂しそうだった。

前だったら、こんなふうに一緒に帰れないことなんて、そこまで気にしていなかったと思う。

幼なじみだった頃は、帰れる日も帰れない日も、それが普通だった。

でも今は、恋人になった。

だからなのかもしれない。

蓮にとって、一緒に帰ることが思っていた以上に大切になっていることが、なんとなく伝わってきた。


「じゃあ、また明日ね」


放課後、そう言って別れると、蓮は少し名残惜しそうに手を振った。


「うん。また明日」


私も手を振り返す。

いつもなら、そのまま一緒に帰るはずの道。

今日は一人で歩く。

たったそれだけなのに、私も少し寂しいと思ってしまった。