いつものように、蓮と一緒に帰る準備をしていた。
鞄を肩にかけて、教室を出ようとしたとき。
「結菜」
「ん?」
後ろから呼ばれて振り返る。
蓮は少し迷うような顔をしていた。
「今日、少し寄り道しない?」
「寄り道?」
「うん」
いつもなら、そのまま家に帰る。
だから少しだけ意外だった。
「どこ行くの?」
「近くの公園」
「公園?」
「人も少ないし、少し話したい」
その言葉に、なんとなく胸がざわついた。
何か大事な話でもあるのかな。
そんなことを考えながら、私は小さく頷いた。
「……うん。いいよ」
「ほんと?」
「うん」
そう答えると、蓮が安心したように笑った。
二人で学校を出る。
いつもの帰り道から少しだけ外れて、公園へ向かう。
隣を歩く蓮は、いつもより少し静かだった。
でも。
繋いだ手だけは、いつもよりしっかり握られていた。
