幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い

その日、一日中。

蓮は何かにつけて私に声をかけてきた。


「結菜、次の授業って何だっけ?」

「数学だよ」

「そっか。ありがとう」

「うん」


そんな何気ない会話でも、蓮は嬉しそうに笑う。

昼休みには。


「今日、一緒に食べる?」

「うん」

「よかった」


たったそれだけなのに、また嬉しそう。

放課後になって、教室を出るときも。


「結菜、帰ろ」

「うん」


並んで廊下を歩きながら、蓮がふっと笑う。


「今日も一緒に帰れる」

「昨日も帰ったよ?」

「うん」

「一昨日も」

「うん」

「じゃあ、なんでそんなに嬉しそうなの?」


聞いてみると、蓮は少し考えるように黙った。

それから、当たり前みたいに言った。


「結菜と帰れるのが嬉しいから」


まただ。

最近の蓮は、本当にこういうことを平気で言う。


「……蓮」

「ん?」

「最近、ちょっと変じゃない?」

「そう?」

「うん」

「俺は普通だけど」


絶対、普通じゃない。