朝、教室に入ると、いつものように蓮が私に気づいた。
「おはよう、結菜」
「おはよう」
昨日までは、この挨拶だけでも少し緊張していた。
でも今日は、昨日よりは落ち着いている。
……そう思っていた。
「今日も可愛いね」
「……え?」
一瞬、聞き間違いかと思った。
「何?」
「いや……」
蓮は不思議そうに私を見る。
「今日も可愛いなって思っただけ」
「……朝から何言ってるの」
「思ったこと言っただけ」
そう言って、蓮は何でもないように自分の席へ戻っていく。
私はその場に残されたまま、顔が熱くなるのを感じていた。
昨日までは、こんなこと言わなかったのに。
どうやら私は、少しずつ蓮の変化に慣れていく必要がありそうだった。
