幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い

いつもの道を、手を繋いで歩く。

すれ違う人がいても。

自転車が通っても。

蓮は手を離さなかった。

私も、離したくなかった。

しばらくして、ふと気になったことを聞いてみる。


「蓮」

「ん?」

「さっき言ってたけど……」

「うん」

「もっと近くにいたいって、どういうこと?」


蓮は少し黙った。

それから、繋いだ手にほんの少し力を込める。


「……今まで我慢してたから」

「何を?」

「こうやって、結菜に触れること」

「……っ」


思わず蓮を見る。

蓮は少し恥ずかしそうに前を向いていた。


「付き合ってないのに、手繋いだら変だろ」

「それは……そうだけど」

「だから、ずっと我慢してた」


そんなことを考えていたなんて。

全然知らなかった。


「……蓮って」

「ん?」

「意外と我慢してたんだね」

「意外とじゃない」

「え?」

「かなり」


その答えに、思わず笑ってしまった。