幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い

放課後。

帰る準備を終えて、蓮のところへ向かう。


「蓮、帰ろ」

「……うん」


返事はしてくれた。

でも、なんとなくいつもと違う。

教室を出てからも、蓮は静かだった。

いつもなら学校であったこととか、どうでもいい話をしながら帰るのに。

今日は私の隣を歩きながら、黙って前を見ている。


「……蓮?」

「ん?」

「どうしたの?」

「何が?」

「なんか、今日静かじゃない?」

「そう?」

「うん」


蓮は少しだけ考えるように黙った。


「……別に」


その言葉を聞いて、私は少し首を傾げる。

絶対、何かある。

でも、本人がそう言うなら無理に聞くのも違う気がして。

私はそれ以上何も言わずに歩いた。

しばらくして。

隣から小さなため息が聞こえた。


「……やっぱり、気になる」

「え?」


蓮が足を少し緩める。


「今日、結菜が男子と話してたの」

「……それ?」


思わず聞き返す。


「うん」


蓮は少しだけ困ったように笑った。