蓮が一歩、私に近づく。
「俺、ずっと結菜が好きだった」
その言葉を聞いた瞬間。
頭の中が真っ白になった。
「……好き?」
「うん」
「幼なじみとして……?」
聞いた途端、蓮が少しだけ眉を寄せた。
「……なんでそうなるの」
「だって……」
「なんで気づかないの?」
その声は、少しだけ震えていた。
怒っているわけじゃない。
ずっと我慢していたものが、ようやく溢れたみたいな声だった。
「俺が結菜のこと好きなの、幼なじみだからじゃない」
「……」
「結菜だから好きなんだよ」
胸がいっぱいになる。
「ずっと一緒にいたから好きになったんじゃない」
蓮は、まっすぐ私を見る。
「一緒にいるうちに、結菜じゃなきゃ嫌になった」
涙が出そうになる。
「もっと一緒にいたいって思うし」
「……うん」
「他の誰かじゃなくて、俺の隣にいてほしい」
「……うん」
「結菜が好き」
何度も聞いた「好き」という言葉。
なのに。
今までとは、全然違って聞こえた。
それが恋愛の「好き」だと、ようやく分かった。
「……私」
声が震える。
「私も、蓮が好き」
「……うん」
「ずっと好きだった」
蓮の目が大きくなる。
「でも……言えなかった」
「なんで?」
「幼なじみじゃなくなったら、蓮がいなくなっちゃう気がして」
そう言うと、蓮は一瞬黙った。
そして。
ふっと優しく笑った。
「いなくならないよ」
「……本当に?」
「むしろ、もう離す気ない」
その言葉に、涙が一粒こぼれた。
