帰り道。
蓮はいつもより静かだった。
「蓮?」
「ん?」
「どうしたの?」
「別に」
「ちょっと変じゃない?」
「……そう?」
「うん」
蓮は少し黙ってから、私を見る。
「結菜はさ」
「うん?」
「俺が誰かと付き合ったら、どうする?」
突然の質問だった。
「え?」
「例えばの話」
私は少し考える。
「応援すると思う」
そう答えると、蓮の足が少し止まった。
「……そっか」
「なんで?」
「なんでもない」
また、なんでもない。
私は少し困ってしまう。
「蓮、最近なんでもないって言いすぎ」
「結菜が気づかないから」
「え?」
蓮が私を見る。
その目が、いつもより真剣だった。
「……なんでもない」
また、前を向く。
私はその横顔を見ながら、考える。
蓮が何を言いたいのか分からない。
でも。
きっと、私には言えないことがあるんだ。
そう思った。
それ以上、聞くことはできなかった。
