お昼を食べ終わって、近くのベンチで休んでいた。
「今日、楽しい?」
蓮が聞いてくる。
「うん。楽しいよ」
「ほんと?」
「ほんと」
「ならよかった」
蓮は少し安心したように笑った。
私はその顔を見て、胸が温かくなる。
「蓮は?」
「俺?」
「楽しい?」
「楽しいよ」
少し間を置いて。
「結菜といるから」
心臓が跳ねた。
「……そっか」
なんとか笑う。
蓮は私の顔をじっと見ている。
「結菜は?」
「私も、蓮といるから楽しいよ」
「……それだけ?」
「え?」
「俺といるのが?」
「うん」
蓮が少しだけ困ったように笑った。
「そっか」
その声が、いつもより小さかった。
私は首を傾げる。
「どうしたの?」
「なんでもない」
まただ。
最近、蓮は時々こうやって、何か言いかけてやめる。
私は少し気になった。
でも。
無理に聞くことでもないと思った。
蓮にも、言いたくないことくらいある。
それに。
私は蓮の気持ちを知るのが、少し怖かった。
もし私が期待してしまったら。
今の関係を、大切にできなくなる気がした。
