家の近くまで来る。
「じゃあ、日曜のことまた連絡する」
「うん」
「絶対空けといて」
「分かった」
「約束」
蓮が小さく笑う。
「約束ね」
私も笑い返した。
蓮と別れて、一人になった帰り道。
私は今日一日のことを思い返していた。
朝、お菓子をくれたこと。
昼休みに、一緒に帰りたいと言ってくれたこと。
帰り道を遠回りしたこと。
日曜日に二人で出かけようと言ってくれたこと。
どれも嬉しかった。
すごく嬉しかった。
好きな人が、自分との時間を大切にしてくれている。
それだけで、胸がいっぱいになる。
でも。
――蓮は、私のことを大切な幼なじみだと思ってくれている。
きっと、それだけ。
そう考えると、少しだけ安心した。
もし違う意味だったら。
もし蓮が私を好きだったら。
……そんなこと、あるわけない。
私は自分の気持ちを隠している。
だったら、蓮だって同じように考えているはず。
「幼なじみだから、一緒にいたいんだよね」
そう呟く。
その言葉に、自分で少しだけ寂しくなった。
でも。
今はそれでいい。
蓮の隣にいられるなら。
幼なじみのままでも。
私は、それでいいと思っていた。
――そのときは、まだ。
