昼休み。
私は友達とお弁当を食べながら、何となく教室の後ろを見る。
蓮は自分の席で、スマホをいじっていた。
いつも通り。
特に変わったところなんてない。
「……」
なのに、気になる。
すると蓮が顔を上げた。
目が合う。
「……?」
蓮が少し首を傾げた。
私は慌てて視線を逸らす。
「結菜?」
「なに?」
「今、蓮見てた?」
「見てない!」
「見てたじゃん」
「たまたま!」
「ふーん」
友達がにやにやする。
「もう、何なの」
「別にー」
私はお弁当のおかずをつついた。
すると、後ろから声がした。
「結菜」
「ん?」
振り返る。
蓮が私の机の横に立っていた。
「今日、帰る?」
「うん」
「じゃあ、待ってる」
「分かった」
「……じゃ」
蓮はそれだけ言って、自分の席に戻っていった。
「……」
「……」
「……結菜」
「なに?」
「今の顔、すごい」
「え?」
「嬉しそう」
「そう?」
「うん」
私は自分の頬に触れた。
熱い。
でも、たぶん気のせい。
だって、蓮と帰るのなんていつものことだから。
嬉しいのも、いつも通り。
……たぶん。
