それから数日。
私は、なんとなく落ち着かなかった。
朝、教室に入ると蓮がいるか気になる。
休み時間になると、なんとなく廊下を見てしまう。
帰る時間が近づくと、今日は一緒に帰れるかな、なんて考えてしまう。
今までだって、ずっと一緒だったのに。
どうして急にこんなことを考えるようになったんだろう。
「結菜」
「ん?」
隣の席の友達に呼ばれて、私は顔を上げた。
「さっきから何ぼーっとしてるの?」
「え? ぼーっとしてた?」
「してたよ」
「寝不足かな」
「昨日ちゃんと寝た?」
「寝たよ」
「じゃあ、何考えてたの?」
「……何って言われても」
私は少し考える。
「特に何も」
「ふーん?」
友達はじっと私を見る。
「何?」
「最近、蓮のこと考えてない?」
「……え?」
一瞬、心臓が跳ねた。
「な、なんで?」
「図星?」
「違うって!」
思わず声が大きくなる。
周りの何人かがこちらを見て、私は慌てて声を小さくした。
「ただ……」
「ただ?」
「最近、ちょっと気になるだけ」
「ほら!」
「だから、そういう意味じゃなくて!」
自分でも、何が違うのか分からない。
ただ、蓮のことを考える時間が少し増えただけ。
それだけのはずだった。
