月曜日の放課後。グラウンドには、ピッと鋭いホイッスルの音と、スパイクが土を噛む鈍い音が響いたいた。
俺は、あのライトグレーのサマーニットも、黒縁の伊達メガネも、すべて自室のクローゼットの奥へと静かに仕舞い込んだ。
首元の少し伸びた味気ないロゴTシャツに、汗と泥にまみれたサッカー部のジャージ。それが、今の俺の、正真正銘の等身大の姿だった。
「航平、ナイシュー!」
アシストを決めた大輝が、ニカッと白い歯を見せて駆け寄ってくる。俺はそんな親友と、言葉はなくとも通じ合うようにパチンと強く拳を合わせた。大輝の目は『よく男見せたじゃん』と、静かに俺を労ってくれているようだった。
少し離れた校門の並木道の下で、スクールバッグを抱えた夏海がぷいっとそっぽを向いて待っている。その耳の裏が、夕日に照らされてほんのり赤い。
俺は大輝と共に、歩道に伸びる3人の長い影を、ゆっくりと踏みしめて歩き出した。何一つ変わらない、俺たちの、泥だらけで騒がしい高校生の日常。
あの木曜日の遠征試合。相手校の泥だらけのピッチの上で、ただ必死にダイレクトシュートを振り抜いた、あの瞬間の熱量が今でも足の裏に残っているような気がした。
もう、金曜日の夜に変装をして、隣の席に滑り込むことはない。
だけど、グラウンドからただ遠くを見つめるだけだった半年前とは、決定的に違っていた。
俺たちの間には、あの夜の公園で交わした、どんな正しい正論よりも強固な約束がある。
(ちゃんと、あなたの隣に立つまで)
俺は未練を振り切るように前を向き、いつもの賑やかな日常の笑い声の中へと、力強く足を一歩踏み出した。頭上に広がる青空は、どこまでも高く、俺たちの未来を祝福するように透き通っていた。
そこからの俺の毎日は、文字通り地獄のような、でも、これ以上ないほど迷いのない受験勉強の日々に変わっていった。
俺は、あのライトグレーのサマーニットも、黒縁の伊達メガネも、すべて自室のクローゼットの奥へと静かに仕舞い込んだ。
首元の少し伸びた味気ないロゴTシャツに、汗と泥にまみれたサッカー部のジャージ。それが、今の俺の、正真正銘の等身大の姿だった。
「航平、ナイシュー!」
アシストを決めた大輝が、ニカッと白い歯を見せて駆け寄ってくる。俺はそんな親友と、言葉はなくとも通じ合うようにパチンと強く拳を合わせた。大輝の目は『よく男見せたじゃん』と、静かに俺を労ってくれているようだった。
少し離れた校門の並木道の下で、スクールバッグを抱えた夏海がぷいっとそっぽを向いて待っている。その耳の裏が、夕日に照らされてほんのり赤い。
俺は大輝と共に、歩道に伸びる3人の長い影を、ゆっくりと踏みしめて歩き出した。何一つ変わらない、俺たちの、泥だらけで騒がしい高校生の日常。
あの木曜日の遠征試合。相手校の泥だらけのピッチの上で、ただ必死にダイレクトシュートを振り抜いた、あの瞬間の熱量が今でも足の裏に残っているような気がした。
もう、金曜日の夜に変装をして、隣の席に滑り込むことはない。
だけど、グラウンドからただ遠くを見つめるだけだった半年前とは、決定的に違っていた。
俺たちの間には、あの夜の公園で交わした、どんな正しい正論よりも強固な約束がある。
(ちゃんと、あなたの隣に立つまで)
俺は未練を振り切るように前を向き、いつもの賑やかな日常の笑い声の中へと、力強く足を一歩踏み出した。頭上に広がる青空は、どこまでも高く、俺たちの未来を祝福するように透き通っていた。
そこからの俺の毎日は、文字通り地獄のような、でも、これ以上ないほど迷いのない受験勉強の日々に変わっていった。

