千代子花火の12週間の恋

  ◆◇◆


 ❄六週目❄


 「うーん……ここらへんのストーリー、相変わらず調子いいね……」


 「僕、実際の時間に合わせて書いてるからね……しかも各話が12週間っていう期間にかなり近くなってるんだ……読者も感情移入しやすいと思うよ……」


 私は絵を描きながら、(よし)くんの顔をちらちら見ていた……


 「ねえ(よし)くん……」


 「うん?」


 「彼女いるの?」


 彼は一瞬固まって……それから淡々とした声で答えた……


 「いないよ……」


 「本当に?……結構かっこいいのに……」


 彼が私の方を向いて、「本当に?」とでも言いたげな顔をした……前にも言ったけど……彼がかっこいいのは、あくまで私にとっての話であって……女の子みんなが振り返るレベルのイケメンってわけじゃない


 「彼女いたことないんだ……千代(ちよ)ちゃんは?」


 「私もいない……」


 私はぎこちない顔をしながら言った


 「本当に?……千代(ちよ)ちゃん、結構かわいいのに……」


 「……………」


 もう……そんなこと言われたら、恥ずかしくて絵が描けなくなっちゃうじゃない……


 もう、やだ……


 「それで……(よし)くんはどんな女の子がタイプなの?」


 「タイプとかないかな……ただ、僕のことを本当に愛してくれる人ならそれでいいよ……」


 へえ……かっこいい人だから、もっと高い理想があるものかと思ってた……