千代子花火の12週間の恋

  ◆◇◆


 ❄三週目❄


 「にゃあ……」


 「かわいいーー……」


 十匹ほどの猫たちが、するすると私にすり寄ってきた……何匹かは私の膝の上に乗ってきたりもして……


 「笑ってください……」


 「えへへ……笑顔!!!」


 実は今初めて知ったんだけど、(よし)さんって写真を撮るのが趣味らしい……


 元々、(よし)さんはのんびりして気さくな人だ。彼はいつも、趣味の写真撮影の話を私に聞かせてくれる。マンガを描く以外にも趣味があるなんて、少し羨ましいなって思う……


 とことんオタクな私とは違って……もしかしたら、私たち二人はお互いのもう一方の面なのかもしれない……


 いや……そうじゃないな……(よし)さんの方が、私よりちょっとだけできた人ってだけかも……


 「ふしゃー!!!!」


 でも、少なくとも私が彼より優れていることが一つある。猫はとにかく私のことが大好きなのに、なぜか(よし)さんのことは好きじゃないみたいなのだ……


 「やめてってば……いたっ!!!!!」


 「お客様!!!」


 結局、無理に猫を捕まえようとして引っかかれてしまった……


 私が代わりに手当てしてあげることにした……店員さんは何度も謝りながら、二人分の無料再来店クーポンをくれた……


 「あんな強引に猫を捕まえちゃだめですよ……猫っていつも警戒してるんですから……」


 「はは……僕が悪いんですけどね……でも千代(ちよ)さんって、本当に猫が好きなんですね……」


 「そうなんです……母がよく野良猫を拾ってきて家で飼ってたので、それで自然と猫が好きになったんです……」