「未来有望な小学生の皆さん、ポテトシティへようこそ!」
「うわー、本物のポテト男爵だ」
「叶海、市長に失礼だよ」
「シチョウニシツレイ、ダゾ」
ポテトシティに到着すると市長の喜多明黄金さんの挨拶が始まった。
この人がポテトシティを立ち上げたんだよね。
テレビやネットではポテト男爵って呼ばれているんだ。
「大丈夫。みんなもイノベーターキャンプの間は私のことをポテト男爵って呼んでいいよ」
あははと周りのみんなの笑い声が聞こえてくる。
うわ、声が大きくてみんなに聞かれちゃったの恥ずかしいな……。
それにしてもポテト男爵が優しい人でよかったよ。
するとポテト男爵がニコニコとした笑みを浮かべながら私の方に向かって歩いてきた。
「君は北島叶海さんだね? さっき聞こえてきたのはAIの声かな」
突然、ポテト男爵からみんなの前で名前を呼ばれてドキッとする。
「タダノエーアイジャナイ。ワタシハ、ラブ、ダ」
ポケットからタブレットを取り出す。小さな画面の中でラブが騒いでいた。
「ほお、ちゃんと名前があるのか。人の声に反応したり会話ができるAIを開発できるなんてすごいな」
「い、いやー、それほどでもありますかね」
くすくすと周りから笑いが起こる。
またやっちゃった。褒められると私はいつもこうやって答えちゃうんだよね。
「叶海さんの高い能力に期待しているからね」
「はい、頑張ります!」
そう言ってポテト男爵はまた演説台に戻っていった。
「みなさんには今日からこのポテトシティで二泊三日のイノベーターキャンプに参加してもらいます。ここには特別に選ばれた二十人の小学生に集まってもらいました。これから君たちは四人ごとのチームに分かれて、自分たちの知恵や力を使いチームごとにポテトシティがより発展するためにはどうすればいいかを考えてもらいます」
ゴクリとつばを飲み込みあたりを見渡す。
一見、ただの小学生の集まりに見えるけどここに呼ばれたってことはそれぞれが特別な才能を期待されている。
よく見るとテレビやネットのニュースで見たことのある小学生たちばかりだ。
ここに集められた小学生たちがポテト男爵の言葉を聞いて静かに熱狂しているのがわかる。だって私もその一人だもん。
自分の力を日本最先端の実験都市で試せる。もうそれって最高じゃん!
「だけど、私はイノベーターキャンプの目的はそれだけじゃないと思っています。皆さんはこの会場でかけがえのない仲間と出会います。仲間と一緒にお互い切磋琢磨をすることで君たちが大きな学びを得てもらったら嬉しいと私は思います」
パチ、パチ、パチ。
ポテト男爵の挨拶が終わると自然に拍手の音が広がっていった。
私も無意識のうちに拍手をしている。
てっきりポテト男爵はポテトシティの発展のことばかり考えていると思っていた。
けどそうじゃない。私たちのことも考えてくれていたんだ!
実験都市をまとめる市長だけあって考え方もとっても素敵だな。
「ポテトダンシャク、カッコイイ、ステキ」
「ラブもそう思うよね」
「みんなに拍手されるとなんだか照れてしまうな」
ポテト男爵が恥ずかしそうに顔を真っ赤にしている。
「それじゃあ、知っている人も多いかもしれないけポテトシティについて説明するよ。ここポテトシティは日本の実験都市の一つで、ポテトを中心とした産業で街全体が成り立っています」
照れ隠しでもするように改まった調子でポテト男爵が話し始めた。
「ポテトシティではポテトの栽培から始まり、収穫したポテトの加工や商品開発まで全てこの街で完結します。この街のビジネスは全てポテトに関連していると言っても過言ではないでしょう。このビジネスの流れをまとめてポテトシステムと呼んでいます」
一つの都市でビジネスを関係させる画期的なシステム。これを設計したのがポテト男爵だ。
日本の最先端技術が集まり、都市全体で産業を完結させる。
実験段階とはいえこんなシステムを考えるなんてポテト男爵は天才だ。
「ポテトを通して雇用が生まれる。私はこれからの日本と人類の幸せのためにポテトシステムを開発しました。とはいえ、ポテトシステムもまだまだ発展途上です。効率的なポテトの栽培や魅力的な新商品の開発など課題はいくつもあります。そこでこの街でイノベーターキャンプを開き、皆さんの知恵と力をポテトシティの発展に活かしたいと考えました」
ポテト男爵の説明を聞いて改めて思う。この実験都市にきてよかった。
この実験が成功すれば日本の未来だって変えられるかもしれない。
私は今、そんな場所にいる。それってすごくエキサイティングなことだよね!
きっとイノベーターキャンプに集まった小学生ならみんな思っているはずだ。
「ポテトシステムと言っても言葉だけではよくわかりませんよね。なので皆さんにこの街を案内したいと思います」
ポテト男爵の指差す先には、どデカいドームやピカピカの工場がある。
私、ポテトシティに来たんだ。
ニュースで聞いていたあの実験都市に今、いるんだ。
胸が高鳴る。早くこの街をこの目で見てみたい。
私はここに大きな二つの目的を持ってやってきた。
一つはこの実験都市での学びや経験を活かして新しいAIを開発すること。
そして、もう一つは……。
「いっぱいポテト、食べるぞー!」
「うわー、本物のポテト男爵だ」
「叶海、市長に失礼だよ」
「シチョウニシツレイ、ダゾ」
ポテトシティに到着すると市長の喜多明黄金さんの挨拶が始まった。
この人がポテトシティを立ち上げたんだよね。
テレビやネットではポテト男爵って呼ばれているんだ。
「大丈夫。みんなもイノベーターキャンプの間は私のことをポテト男爵って呼んでいいよ」
あははと周りのみんなの笑い声が聞こえてくる。
うわ、声が大きくてみんなに聞かれちゃったの恥ずかしいな……。
それにしてもポテト男爵が優しい人でよかったよ。
するとポテト男爵がニコニコとした笑みを浮かべながら私の方に向かって歩いてきた。
「君は北島叶海さんだね? さっき聞こえてきたのはAIの声かな」
突然、ポテト男爵からみんなの前で名前を呼ばれてドキッとする。
「タダノエーアイジャナイ。ワタシハ、ラブ、ダ」
ポケットからタブレットを取り出す。小さな画面の中でラブが騒いでいた。
「ほお、ちゃんと名前があるのか。人の声に反応したり会話ができるAIを開発できるなんてすごいな」
「い、いやー、それほどでもありますかね」
くすくすと周りから笑いが起こる。
またやっちゃった。褒められると私はいつもこうやって答えちゃうんだよね。
「叶海さんの高い能力に期待しているからね」
「はい、頑張ります!」
そう言ってポテト男爵はまた演説台に戻っていった。
「みなさんには今日からこのポテトシティで二泊三日のイノベーターキャンプに参加してもらいます。ここには特別に選ばれた二十人の小学生に集まってもらいました。これから君たちは四人ごとのチームに分かれて、自分たちの知恵や力を使いチームごとにポテトシティがより発展するためにはどうすればいいかを考えてもらいます」
ゴクリとつばを飲み込みあたりを見渡す。
一見、ただの小学生の集まりに見えるけどここに呼ばれたってことはそれぞれが特別な才能を期待されている。
よく見るとテレビやネットのニュースで見たことのある小学生たちばかりだ。
ここに集められた小学生たちがポテト男爵の言葉を聞いて静かに熱狂しているのがわかる。だって私もその一人だもん。
自分の力を日本最先端の実験都市で試せる。もうそれって最高じゃん!
「だけど、私はイノベーターキャンプの目的はそれだけじゃないと思っています。皆さんはこの会場でかけがえのない仲間と出会います。仲間と一緒にお互い切磋琢磨をすることで君たちが大きな学びを得てもらったら嬉しいと私は思います」
パチ、パチ、パチ。
ポテト男爵の挨拶が終わると自然に拍手の音が広がっていった。
私も無意識のうちに拍手をしている。
てっきりポテト男爵はポテトシティの発展のことばかり考えていると思っていた。
けどそうじゃない。私たちのことも考えてくれていたんだ!
実験都市をまとめる市長だけあって考え方もとっても素敵だな。
「ポテトダンシャク、カッコイイ、ステキ」
「ラブもそう思うよね」
「みんなに拍手されるとなんだか照れてしまうな」
ポテト男爵が恥ずかしそうに顔を真っ赤にしている。
「それじゃあ、知っている人も多いかもしれないけポテトシティについて説明するよ。ここポテトシティは日本の実験都市の一つで、ポテトを中心とした産業で街全体が成り立っています」
照れ隠しでもするように改まった調子でポテト男爵が話し始めた。
「ポテトシティではポテトの栽培から始まり、収穫したポテトの加工や商品開発まで全てこの街で完結します。この街のビジネスは全てポテトに関連していると言っても過言ではないでしょう。このビジネスの流れをまとめてポテトシステムと呼んでいます」
一つの都市でビジネスを関係させる画期的なシステム。これを設計したのがポテト男爵だ。
日本の最先端技術が集まり、都市全体で産業を完結させる。
実験段階とはいえこんなシステムを考えるなんてポテト男爵は天才だ。
「ポテトを通して雇用が生まれる。私はこれからの日本と人類の幸せのためにポテトシステムを開発しました。とはいえ、ポテトシステムもまだまだ発展途上です。効率的なポテトの栽培や魅力的な新商品の開発など課題はいくつもあります。そこでこの街でイノベーターキャンプを開き、皆さんの知恵と力をポテトシティの発展に活かしたいと考えました」
ポテト男爵の説明を聞いて改めて思う。この実験都市にきてよかった。
この実験が成功すれば日本の未来だって変えられるかもしれない。
私は今、そんな場所にいる。それってすごくエキサイティングなことだよね!
きっとイノベーターキャンプに集まった小学生ならみんな思っているはずだ。
「ポテトシステムと言っても言葉だけではよくわかりませんよね。なので皆さんにこの街を案内したいと思います」
ポテト男爵の指差す先には、どデカいドームやピカピカの工場がある。
私、ポテトシティに来たんだ。
ニュースで聞いていたあの実験都市に今、いるんだ。
胸が高鳴る。早くこの街をこの目で見てみたい。
私はここに大きな二つの目的を持ってやってきた。
一つはこの実験都市での学びや経験を活かして新しいAIを開発すること。
そして、もう一つは……。
「いっぱいポテト、食べるぞー!」



