スマートフォンのアラームを皮切りに、軽い欠伸とともに目が覚める。
両腕を天井に上げて身体を伸ばすと、1日の始まりを合図するかのように、可愛らしい鶯の鳴き声が聞こえた。
遮光カーテンを開けて朝陽を浴びる。
眩い陽差しはあったかく、ぽかぽかと穏やかな陽気がとても気持ちいい。
私、七波那月は今日から高校2年生になる。
着慣れた濃紺のブレザーに腕を通して、学校指定の赤いストライプリボンを胸元に付けた。
姿見で全身を確認する。その度に思う。
もっと可愛かったら。もっとスタイルが良かったら。
最早、生まれ持った容姿は天からの授かりものでどうにもならない。
だから、せめて自分にできる最低限の努力をしようと、他の人より少し明るめの地毛を緩く巻いてみたり、リップで唇の血色を良くしたりと、できる範囲で頑張っている。
頑張ってはいるんだけれど、やっぱり周りに比べたら私は冴えない。
メイクをしたい気持ちはあっても似合わないって分かっているからリップ程度で済ませているし、もう少しで腰まで伸びそうな薄茶の髪は、トリートメントで丁寧に手入れをしていないと傷んだように広がって、某ホラー映画の幽霊のように、井戸から這い出てきてもおかしくはない程度に纏まりを失くしてしまう。
クラスには美人な子や可愛い子たちが多くて、みんなが羨ましくてしかたない。
そもそも、私がこんなにも自分に自信が持てなくて、周りの目や自分の容姿に敏感になってしまうことには、ひとつの理由がある。
